カテゴリー : 読み物

無くならない: アートとデザインの間

著者 佐藤直樹
発売日 2017年4月26日

アートとは?デザインとは?という、答えがあるようでないような事に真正面から向かい合って考察した本。ここに読み手の答えがあるとは限りませんが、同業者と一緒に意見を交わしたくなるような問題提起をされています。私は何やかんや「グラフィックデザインの未来を考えない」頁の『「この柄いいね」とか「この色の組み合わせカワイイ」とか。(略)それで十分じゃないでしょうか。』(p. 248)がしっくりきました。ちなみにカバーを取ると素敵な木炭画が!

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デザインってなんだろ?

著者 松田行正
発売日 2017年3月30日

色や装飾、ロゴ、レイアウトなど、様々なデザインの表現方法について、これまでの歴史を柔らかな口調で解説してくれるデザインの基礎教養的な本。デザイン論の入門書として読んでおいて損はないはず。筆者は本の装幀や造本の仕事を中心に活躍しているグラフィックデザイナーさんだけあって、美しいだけではなく手にとって楽しめるしかけも!

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色で読む中世ヨーロッパ

著者 徳井淑子
発売日 2006年6月10日

15世紀前半に書かれ、その後の色彩論に影響を与えたという「色彩の紋章」という本の現代解説本といったところ。なぜ赤が好まれ、黄色が嫌われたのか?など、色彩の紋章が書かれた当時のヨーロッパの時代背景や文化、思想を交えて色から受ける感情について紹介しています。色彩についての価値観の移り変わりを感じながら当時の美術作品や服飾を見ると、改めて気付く発見がありそうです。色のお話が好きな人、デザイナーの人、美術史に興味がある人は読んでみると楽しめますよ。

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世界デザイン史

著者 阿部公正、神田昭夫、高見堅志郎、羽原肅郎、向井周太郎、森啓
発売日 2012年2月27日

近代から現代までの、世界と日本のデザインの歴史をまとめた本。「デザイン」と呼ばれるものが技術の発達とコミュニケーションの需要によって進化してきたことがよくわかります。デザイン年表もついていて、デザインがどのような流れで生まれて現在に至るのかがひと目で把握できます。少し堅めの文章ですが、図版も400点近く掲載されていて見応え・読み応えあります。

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グラフィックデザインで世界を変える

著者 Andrew Shea(著)、北村陽子(訳)
発売日 2013年1月24日

社会問題に対して、デザイナーがどう向き合って、変化を起こしていったのか。実例から学べるデザインを数多く紹介している本。各章でデザインの課題、コミュニティとの協働戦略、デザイン戦略、成果、教訓がまとめられています。「制約を知り、取り組まなければならない問題を知れば、何を約束し、どのような成果を出せるか判断しやすくなる」(p. 41)とあるように、スケジュールや予算、組織内の摩擦といった制約にどう対応して目標を達成したのかといったプロセスが詳しく書かれています。おすすめ!

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コミュニケーションのデザイン史―人類の根源から未来を学ぶ

著者 高橋裕行
発売日 2015年9月25日

地図や図書館、学校、美術館、手紙など、今では当たり前に見かける施設やツールがどういった背景でデザインされ、進化してきたかが読み解けます。人が集まる場所ではコミュニケーションが不可欠で、そのコミュニケーションを設計することの大切さや、時代とともに移り変わる様子が面白く、読み物としてのんびり楽しめると思います。

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