Webサイトをダークモードに対応させよう

ダークモードとは画面の背景を黒基調にしたデザインのこと。OS側での設定の他、人気アプリやWebサイトで続々対応されています。これまでは明るい部屋でモニターを眺めることが多かったのですが、スマートフォンの普及で暗い場所でも画面を見る機会が増え、夜間目に優しいダークモードが増えてきているわけですね。有機ELディスプレイでは省エネにもなるそうです。今回はそんなダークモードの設定を紹介します!

↑私が10年以上利用している会計ソフト!

とにかく夜間見えづらい!


私、夜間に車を運転していると、暗い所では対向車のライト以外ほとんど何も見えない状態なんですが、みんなそんなもんだと思ってたんですよね。でも話しているとどうやら私以外の人はライトじゃない部分もちゃんと見えていると…。みんな見えてるからちゃんと運転できてるってことか!こりゃー私には危険だわってことで夜間の運転はやめました。運転していなくても田舎道のような暗いところでは何も見えませんし、暗いところでスマホを見たらスマホ以外何も見えません。むしろスマホの光も眩しすぎて目が痛いです。

そんなわけで、暗いところで明るい色のアプリやWebサイトを見るのが非常につらく、徐々にダークモードが普及してくれて大変助かっています!!ただ、このOS側で設定できるダークモードに対応しているのは、今の所有名どころのアプリばかり。ふと暗闇でWebサイトを見ると真っ白い背景色がバーンと表示され、目がやられちゃいます。

そこで、前置きが長くなりましたが、Webサイトのダークモードも増やしていこう!と布教すべくこの記事を書いたという流れです。ダークモードに適用できる3つの方法を紹介します!

1. CSSでWebサイトをダークモードに対応させる方法

ダークモードへの対応はとっても簡単。prefers-color-scheme というメディア特性を利用し、その中にダークモード時に適用したいCSSを書くだけ!

CSS

@media (prefers-color-scheme: dark) {
  body {
    background-color: #000;
    color: #fff;
  }
}

これでOS側でダークモードに設定した際、記述したスタイルが適用されてダークモードに設定できます!ダークモードのときに表示したいスタイルを @media (prefers-color-scheme: dark) {} の間に書いていきましょう。


Webクリエイターボックスではダークモードだとこんな感じになります。試してみてくださいね!

CSS変数(カスタムプロパティ)を使ってより管理しやすくする

ダークモードにしたいスタイルをズラズラと書いていくと、かなりの行数になりそうですね。そんなときに使えるのがCSS変数。通常モードとダークモードに切り替えたい色をCSS変数として登録しておくと、さらに記述が楽になりますよ。CSS変数ってなんぞ?という人は過去記事「CSSで変数(カスタムプロパティ)を使ってみよう」を読んでみてくださいね!

CSS

:root {
  --main-text: #333;
  --main-bg: #fff;
}
@media (prefers-color-scheme: dark) {
  :root {
    --main-text: #ddd;
    --main-bg: #000;
  }
}

body {
  color: var(--main-text);
  background-color: var(--main-bg);
}

body 以外にも色のスタイルを変えたい箇所に var(--変数名) で呼び出して適用しましょう。

ふんわりアニメーション

このままだと配色モードを切り替えたときにパッと画面が変わるので transition: .5s; を加えてふんわり色が変わるよう設定するといいですね。数値はアニメーションの長さなので、自由に変更してください!

CSS

body {
  color: var(--main-text);
  background-color: var(--main-bg);
  transition: .5s;
}

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CSS Custom Properties – Dark Mode
by Mana (@manabox)
on CodePen.

いい感じに設定できました!

2. JavaScriptでダークモード用スタイルに切り替え

メディア特性 prefers-color-scheme はJavaScriptでも取得してあれこれいじれます。以下の例では window.matchMedia でダークモードかどうかを判定し、ダークモードだったら body に「dark-theme」クラスを、通常モードだったら「light-theme」クラスを付与しています。あとは好みのCSSを設定するといいでしょう。

JavaScript

const darkModeMediaQuery = window.matchMedia('(prefers-color-scheme: dark)');
const darkModeOn = darkModeMediaQuery.matches;

darkModeMediaQuery.addListener((e) => {
    const darkModeOn = e.matches;
    if (darkModeOn) { // Dark
        document.body.classList.remove('light-theme');
        document.body.classList.add('dark-theme');
    } else { // Light
        document.body.classList.remove('dark-theme');
        document.body.classList.add('light-theme');
    }
});

ダークモードと通常モードの切り替えスイッチを設置


とは言え、通常モードで閲覧したいというユーザーもいるでしょう。閲覧環境の選択肢を増やすために、Webクリエイターボックスでは表示モードの切り替えボタンも設置しました。ボタンの種類はいろいろとありますが、ここではチェックボックスを使った例を紹介します。

HTML

<input id="btn-mode" type="checkbox"> ダークモード

先程の例と同様、body タグに「dark-theme」と「light-theme」クラスを切り替えるので、どちらのクラスにもスタイルも用意しておきましょう。

CSS

.light-theme {
  background: #fff;
  color: #333;
}
.dark-theme {
  background: #000;
  color: #ddd
}

あとは addEventListener を使って、チェックの有無で body に付与するクラスを切り替えます。

JavaScript

// チェックボックスの取得
const btn = document.querySelector("#btn-mode");

// チェックした時の挙動
btn.addEventListener("change", () => {
  if (btn.checked == true) {
    // ダークモード
    document.body.classList.remove("light-theme");
    document.body.classList.add("dark-theme");
  } else {
    // ライトモード
    document.body.classList.remove("dark-theme");
    document.body.classList.add("light-theme");
  }
});

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JS Dark Mode Switch
by Mana (@manabox)
on CodePen.

単に切り替えるだけだとページ推移した際に元の表示モードに戻ってしまうので注意しましょう。必要であればクッキーの設定をするといいですね。js-cookieを使うと操作しやすいかと思います。

3. Darkmode.Jsを使う


Darkmode.jsを使えば、さらに手軽にダークモードを実装できます。OSの配色設定にも対応していますよ。以下のコードをHTMLに追加するだけ!

HTML

<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/darkmode-js@1.5.7/lib/darkmode-js.min.js"></script>
<script>
  new Darkmode().showWidget();
</script>

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Darkmode.js Demo
by Mana (@manabox)
on CodePen.

かんたんですね!こんな感じで、自動的にページ下部に切り替えスイッチが表示されます。OSの設定を変えると自動で変化するのではなく、一度ページをリロードする必要があります。ただし、CSSの mix-blend-mode を使っているので、白黒以外の配色が結構がっつり変わっちゃいます…。

そこで、色を変えたくないHTMLの要素に「darkmode-ignore」クラスを加えましょう。その部分はダークモードを適用させません。

HTML

<a class="darkmode-ignore" href="#">Button</a>

また、自動的に body に付与されるクラス「darkmode–activated」を使ってCSSを書き換えることもできますよ。ただし、一度ダークモードを適用させた後に反映されるので、多少のチラツキが起こります。

CSS

.darkmode--activated a {
  mix-blend-mode: difference;
}

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Darkmode.js Demo Customized Color
by Mana (@manabox)
on CodePen.

メインカラーはそのままで、ダークモードに対応できました!

切り替えボタンの装飾

切り替えボタンの調整はオプションから可能です。好みのカスタマイズをJavaScriptに記述しましょう。

JavaScript

const options = {
  bottom: '64px', // default: '32px'
  right: 'unset', // default: '32px'
  left: '32px', // default: 'unset'
  time: '0.5s', // default: '0.3s'
  mixColor: '#fff', // default: '#fff'
  backgroundColor: '#fff',  // default: '#fff'
  buttonColorDark: '#100f2c',  // default: '#100f2c'
  buttonColorLight: '#fff', // default: '#fff'
  saveInCookies: false, // default: true,
  label: '暗', // default: ''
  autoMatchOsTheme: true // default: true
}

const darkmode = new Darkmode(options);
darkmode.showWidget();

WordPressプラグイン

WordPressのプラグインもあるみたいです:

動画で解説

Darkmode.jsの使い方は動画でも紹介しています。動画派の方はぜひ見てみてください!

ダークモードの配色例

最後に、メジャーなOSやアプリ、Webサイトの配色を見てみましょう。黒をベースに色をほとんど使わないのが特徴的ですね。色を設定する時の参考にしてみてください!

iOS

  • 背景色 … #000000
  • サブ背景色 … #1C1C1E
  • 文字色 … #FFFFFF
  • サブ文字色 … #808080
  • メインカラー … #0A84FF
  • サブカラー … #30D158

Twitter

ブラック

  • 背景色 … #000000
  • サブ背景色 … #15181C
  • 文字色 … #D9D9D9
  • サブ文字色 … #6E767D
  • メインカラー … #1DA1F2

ダークブルー

  • 背景色 … #15202B
  • サブ背景色 … #192734
  • 文字色 … #FFFFFF
  • サブ文字色 … #8899A6
  • メインカラー … #1DA1F2

Facebookメッセンジャー

  • 背景色 … #000000
  • サブ背景色 … #333333
  • 文字色 … #FFFFFF
  • サブ文字色 … #8B8B8B
  • メインカラー … #19A3FE

YouTube

  • 背景色 … #1F1F1F
  • サブ背景色 … #282828
  • 文字色 … #AAAAAA
  • サブ文字色 … #FFFFFF
  • メインカラー … #FF0000
  • サブカラー … #3EA6FF

Chrome

  • 背景色 … #202124
  • サブ背景色 … #292A2D
  • 文字色 … #E8EAED
  • サブ文字色 … #9AA0A6
  • メインカラー … #8AB4F8

macOS

  • 背景色 … #414039
  • サブ背景色 … #3C3D34
  • 文字色 … #E8E8E8
  • メインカラー … #2F7CF6

Windows

  • 背景色 … #000000
  • サブ背景色 … #1F1F1F
  • 文字色 … #FFFFFF
  • サブ文字色 … #797979
  • メインカラー … #0078D7

すべてのWebサイトに必要ではないかもしれませんが、夜間に閲覧するユーザーが多かったり、定期的にチェックするWebサイトには導入してみるといいですね!

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