UXデザイナーって何するの?
最近、求人サイトなどを見てみると、「Webデザイナー」という職種での募集よりも「UXデザイナー」での募集をよく見かける気がします。しかし、UXデザイナーって実際どんな仕事をしているんでしょうか?Webデザイナーとは何が違うんでしょう?今回はUXデザイナーの仕事内容と、どんなスキルがあればUXデザイナーとして活躍できるのかを調査しました!
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UXデザインって何?
UXとは「User Experience(ユーザー・エクスペリエンス)」の略で、日本語では「ユーザー体験」などと訳されています。見た目だけではなく、画面や機能の使いやすさや、使っていくなかで「楽しい!」「心地いい!」とユーザーに満足してもらえるかを考えた概念です。
UXデザイナーの仕事内容
「UXデザイン」について、なんとなくわかっていても、なんだかふわっとした印象がありますね…。そこで実際にUXデザイナーが一体どんなお仕事をしているのかを見てみましょう。
調査、ユーザーテスト
まず、顧客が求めているものや機能を調査します。Webサイトの場合はGoogle Analytics等の解析ツールを使って、ユーザーの滞在時間やよく見ているページをはじめ、ユーザーの行動を解析します。他にも実際にユーザーを呼んで行う対面インタビューや、Skypeでのオンラインインタビューを実施し、直接聞き取り調査を行ったりもします。
また、製品やサービスを利用しているユーザーに協力してもらい、使用しているところをモニタリングしながら、ユーザーがつまづきやすいポイント等を調査します。ユーザビリティテストについては過去記事「10歳のこどもから学んだユーザビリティ向上のポイント」でも触れているので、ぜひ読んでみてください!
このような調査やテストを繰り返して問題点を洗い出し、その解決策を考える事がUXデザイナーの仕事のひとつです。
ワイヤーフレーム・プロトタイプの作成
上記の調査やテストを元に、サービスやサイト、アプリの企画を考えます。想定されるユーザーの具体像であるペルソナを設定したり、ユーザーの行動を時系列にまとめたカスタマージャーニーマップを作成。社内のマーケティングチームと連携しながら作業を進める段階ですね。
企画や問題解決のための具体的な方法が固まれば、制作チームとの打ち合わせを重ねながら、デザインの元となるワイヤーフレームや、どのように動作するのかを実装したプロトタイプを作成。この段階ではプロジェクトマネージャーや開発チームで共有し、何度も打ち合わせを重ねて実装内容を確定していきます。
デザイン
デザインについては別の担当部署になる場合もありますが、UXデザイナーがインターフェイスデザインも行う場合も多いです。しかし、Webデザインのように各デバイスに合わせた全体のインターフェイスを作るというよりも、使用するアイコンや背景画像といった各パーツを制作したり、デザインのルールをまとめたスタイルガイドを作成します。使いやすさや使い心地の良さを第一に考え、レイアウトや色彩、タイポグラフィの知識をふんだんに活用してよりよいデザインに仕上げていきます。
プレゼンテーション
UXデザイナーの仕事は企画や調査、デザイン制作だけではありません。ユーザーの調査結果やテスト結果、なぜその企画にいたったのか?なぜそのデザインにしたのか?を論理的に説明することも仕事の一部です。プレゼンをする相手はクライアントであったり、開発チームであったりと、多種多様。このプレゼンを通して、何度も話し合いを重ね、プロダクトを完成させます。UXデザイナーは知識や技術だけではなく、コミュニケーション力も必要とされます。
幅広い能力が求められるポジション
上記にまとめたもの以外にも、ユーザーの行動を理解するために人間工学や心理学、認知科学の分野まで知識として持っておくことが推奨されます。また、HTMLやCSSのスキルを必要とする場合もあります。しかし、Webデザイナーとは違い、コーディングをメインの仕事にすることは少ないでしょう。
優れたUXデザイナーは、優れたビジネスマンであるとも言えます。様々な分野のエキスパートとコミュニケーションを取りながら、「使い心地の良さ」を追求し、具体的に形にしていきます。新しいものを創造する能力よりも、既存のデータからユーザーがどんな行動をとるのかを想像する能力が必要ですね。
UXデザイナーの求人情報を調査しました
UXデザイナーの仕事内容がわかったところで、具体的にどんな人がUXデザイナーとして求められているのかを見てみましょう。今回は国内外の134件の求人情報を調査して見えてきた具体像をまとめました。
※今回の記事でいう「海外」は英語圏の国(アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・イギリス)を指しています。
※Webデザイナーやデベロッパーの求人情報調査については、過去記事「海外でWebデザイナー・Webデベロッパーとして働くために必要なスキル」をご覧ください!
調査した求人情報サイト:
求める必須スキル
日本・海外ともにPhotoshopとIllustratorを必須スキルとして挙げている企業が多数。海外の求人では他にもSketchや、プロトタイピングツールのInVisionを使える人の募集も多かったです。その他には多い順にInDesign、After Effects、Bootstrap、Keynote、Marvelがありました。日本ではそういったグラフィックツールよりもHTML(23%)、CSS(22%)のスキルを求める企業が多かったです。
グラフィックツールの使い方はもちろん、基本的なWebサイトの制作はできるようにしておきましょう。また、アプリ開発はできなくとも、開発の工程や仕様などは把握しておくといいですね。
求める実務経験年数
海外では実務経験を不問とする企業が29%と最多。続いて3年以上が26%、2年以上が22%と続きました。日本は実務経験を不問とする企業がなんと81%。以前記事にもしたことがありますが、日本は新人を育てる文化があるため、実務経験の有無を気にしない企業も多いのではないかと思います。
求める学歴
海外では学歴を不問とする企業が62%。関連学部のある大学卒業以上を条件にしている企業は38%ですが、そのうちアメリカの企業が87%。残りはカナダ、イギリスの企業でした。対して日本では学歴を重視している企業はまったくありませんでした。(実務経験も不問、学歴も不問とすると、どうやって採用の判断をしているのか、逆に疑問が残りました…。)
就活の際はデザインしていくまでの調査やデザイン過程を説明できるポートフォリオを用意しておくといいですね。
UXデザイナーの仕事内容が明確になってきましたね。比較的新しいポジションだからか、求人内容もふんわり気味なものが多く見られました。UXデザイナーとして働こう!と思ったものの、いざ仕事をしてみると「思っていた仕事と違った…」なんてすれ違いも生じやすいかもしれません。そうした誤解は「デザイナー」と名のつく職種だからかもしれませんが、あくまでデザインとは設計のこと。ユーザー体験を設計する「UXデザイナー」に興味のある方は、ぜひそちらの分野の勉強をしてみてください。
このサイトでもUXデザインについてちょこちょこ記事にしていこうと思っています。勉強することも多い分野ですが、楽しみながら学習できればと思っています!
また、UXデザインについて書かれた記事は多々ありますが、なんだかかしこまっていたり、難解な言い回しのものも多かったです…。以下の記事は比較的わかりやすく解説されていると思うので、そちらもぜひ読んでみてくださいね。
勉強になります!!
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