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海外Webサイト・海外Web屋の特徴
以前「日本向けのウェブデザインというのはあるのか?」という記事を読み、「逆に海外のサイトは具体的にどう違うかなあ?」と思ったので、私が感じた海外のWeb業界やサイトの違いを並べてみます。海外向けのWebサイト制作を考えている方、海外で働こうと思っている方の参考になればと思います!
追記:ここで紹介する「海外」とは、私が滞在・就労経験のあるカナダとオーストラリアを指しています。
海外 Web サイトの特徴
URL を直接入力
日本では URL バーに直接入力する人は少ないかと思われますが、海外では目的のブランド名がわかっている場合、とりあえず「.com」をつけて Web サイトを開きます。海外で .com が人気な理由はこのへんにありそうです。そのため、新たに会社やサービスを立ち上げるときは、そのブランド名とドメインがとっても大切。また、日本でよく見かける「-(ハイフン)」をドメインに用いるのは避けたほうがよさそうです。
IE6 は基本的に無視
これはサイトのターゲット層や規模にもよりますが、基本的に IE6 には対応させません。IE6 に対応させるために追加料金を設定している企業もあります。そのかわり、iPad やスマートフォンの対応を重視しつつあります。
Facebook が Web 戦略の鍵
海外では Facebook を主体に Web 戦略を考える事が多く、新しい Web サービスを作る時は「どうやって Facebook と連携させるか」を考えるのはもはや常識。Facebook ページの作成や Like ボタンの設置も、Web サイトを作る上での必須項目のひとつです。そのため Facebook の仕様やデザインが変わるたびに悲鳴をあげます。
メールマガジンマーケティング
海外のインターネットマーケティングではメールマガジンも重要視されます。メルマガのテンプレート作成・そのメルマガからのランディングページ作成・メルマガからのアクセス解析はセットで行う会社が多いです。「Campaign Monitor」というメルマガ用の Web サービスが人気で、ここに作成したメルマガ用テンプレートを保存し、クライアントがコンテンツを作成・配信する事もできます。また、メルマガの解析、例えば登録している人の内何人がそのメールを開いたか、どこのリンクをクリックしたか、その時間など、細かく分析できます。メルマガテンプレートを作成する時は、メールクライアントによって表示がずれるため、「Email on Acid」というサイトを使って表示確認します。
いろんなフォントが使える
Google Fontを始め、CSS3 を使った Web フォントが人気急上昇中!日本語フォントはひらがな・カタカナ・漢字と種類が多く、表示が遅くなるため使用するのはまだまだ難しいのが現状ですが、アルファベット+数字のみの英語サイトであれば簡単にいろんなデザインフォントを表示させる事ができます。デザインの幅も広がり、制作するのも楽しいです!
イラストより写真
日本ではサービスの説明画面や、簡単なアクセント等にイラストを使われる事が多いのですが、海外ではイメージ写真が使われる事が多いです。イラストを使う場合でも日本のようなかわいらしい雰囲気ではなく、高画質なベクター画像など、よりリアルに近いものが使われます。私のよく使うアイコン検索サイト「Iconfinder」でもかわいらしいアイコンではなく、立体感のある物が多いですね。
ミニマルなデザイン
もちろんポップなデザインやど派手なサイトもありますが、全体的にみてシンプルで落ち着きのあるデザインが多い気がします。色合いも 3 ~ 5 色におさめ、余計なアイコンや装飾を省き、余白をうまく活用しているサイトをよく見かけますね。逆に日本では大手サイトを含め、ポップな色合いで賑やかな雰囲気のサイトが人気のようです。
EC サイト
海外の EC サイトは全世界に配送しているものが多く、その設定は本当に大変です。国内でも州によって、また商品によっても税率が変わり、国内外の送料の設定、支払い方法、配送方法…設定する項目が山ほどあります。Paypal を使用するユーザーが多いのも日本とは違いますね。
海外 Web 屋さんの特徴
Skype で会話
同じオフィス、しかも隣の席の人とも Skype チャットを通じて会話する事が多いです(もちろん普通の会話もありますよw)。私語ではなく、業務に関することがほとんどです。URL やアカウント名など、口頭でやりとりするのが難しいからだと思います。なので静かなオフィス内で同僚2人が笑いをこらえて悶えている場合、二人が Skype でアホな会話をしていると断定できます。
Basecamp 命
大人気プロジェクト管理ツール「Basecamp」では、プロジェクト毎に To-Do の作成やクライアントとのやりとり、タイムログ、スケジュールなどを管理できます。Web 業界に限らず愛されているこの Basecamp。学校のグループプロジェクトなどでも使われています。
仕事中に Youtube
仕事中に Youtube で面白い動画を見つけても、隠すことなくなぜか大爆笑。まわりの人も怒ることなく、「見せて見せてー!」と群がります。ひとしきり楽しんだ後、サーッと元の位置に戻り、再び業務を続けます。
フリーランサーや小さな仕事は時給制
日本の報酬はプロジェクト単位のものがほとんどだと思いますが、海外では時給制の人が多いです。制作会社でも小さな変更は時給換算です。時間は「Harvest」や「Toggl」などのツールを使ってログをとるのが基本で、請求書には時給換算で表示し、請求します。学生など、まだ実績があまりないフリーランサーの時給は$15 ~$25 が相場。これは最低ラインだと思います。経験のあるデザイナー・デベロッパーさんは$40 ~$70 が相場かと。
同僚の日本語が無駄に上達する
これは完全に私のいた会社での体験談です。カナダ・オーストラリアで各一社ずつ働きましたが、両社とも日本人は私だけ。それで珍しいのもあってか?日本語を覚えようとしてくれる同僚が多く嬉しかったのを覚えています。でもなぜか覚えてくる日本語は変なものばかり。カナダの会社の社長にいたっては、わざわざ「使ってはいけない日本語」という本を購入し、オフィスに置いていたほど。変な単語ほど覚えやすいものです。
日本と海外ではまだまだ違うところもたくさんあると思います。文化が違うと仕事の仕方やマーケティング方法、デザインも変わってきますね。海外進出を考えている方の参考になれば幸いです!