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海外でWebデザイナー・Webデベロッパーとして働くために必要なスキル

昨年バンクーバーのうぇぶ屋のセナ氏と立ちあげた、クリエイター向け留学サポート企業「Frog」で素敵な広報担当をしている私ですが、セミナーや留学相談会でよく聞かれるものの、うまく答えられなかった質問があります。それは「どれくらいの実務経験や、どんなスキルがあれば海外で通用しますか?」というもの。行く国や、企業によって求めるものは違ってきますし、一概に「これができれば海外就職できます!」とは言えないんですよね。それでもあやふやに答えるのが嫌だったので、今回は英語圏のWeb系求人情報サイトからWebデザイナーとWebデベロッパーの求人、300件以上をチェックし、企業が求めているスキルや経験年数、学歴を集計してみました。これから海外進出を考えている皆さん、ぜひ参考にしてみてください!

対象としたのは下記のクリエイター向けジョブボードサイトに掲載されていた求人情報。今回の記事でいう「海外」は英語圏の国(アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・イギリス)を指しています。

Web デザイナー

151 件の求人情報からデータを集計。主に以下のジョブタイトルを対象にしました。

  • Web designer
  • Front-end designer
  • UI designer
  • Interface designer

経験年数

81%の企業が実務経験を必須としていました。1 年以上の経験を必須とする企業が 28%、2 年以上は 20%と、1〜2 年の実務経験があれば、約半数の企業から求められる人材に成り得ることがわかります。実務経験年数を重視しない企業の内、専門学校卒業以上の学歴を求める企業は 63%でした。経験がない分、知識があることを学歴で証明してもらいたいようです。中には「経験年数は関係なく、ポートフォリオを重視するよ!」という企業も。

学歴

Web デザインやアート、芸術等に関連する専門学校、大学卒業以上の学歴を求める企業が 45%。学歴を問わない企業は 55%と、半数以上をしめました。個人的に予想していたよりも少し少ないかな?という印象。そこには意外な事実がありまして、大学卒業以上の学歴を求める企業のうち、76%がアメリカの企業でした。Web 先進国であるアメリカでは、Web デザイナーが増えすぎて、学歴でふるいにかけているのでは?と予想。もしそれが事実なら、いずれアメリカ以外の国でも大卒以上を必須とする企業が増えるのかもしれません。

専門学校卒以上を求めているのは、すべてカナダの企業でした。カナダでは専門学校の認知度が高く、一般的な学歴として扱われているようです。

必須スキル

グラフィックツールを使った基本的な Web サイトのデザインスキル、タイポグラフィや配色の知識はどの企業も必須としていました。デザイン以外では多い順に HTML、CSS、JavaScript と、三大必須スキルが並びます。JavaScript は基本的な知識や jQuery を使えれば OK という企業が多く、API や DOM 操作等を求める企業は少数でした。WordPress はオリジナルテーマ作成できるレベルが求められているようです。

その他の必須スキルには Sass / LESS、モバイルアプリデザイン、Grunt / gulp、Bootstrap、SVG、印刷物デザイン等がありました。

必須ではありませんが、歓迎スキルとして多くあげられたのは Magento 等の EC サイト用 CMS のデザイン・構築、AngularJS、動画編集、SEO・マーケティングの知識等。

Web デベロッパー

182 件の求人情報からデータを集計。主に以下のジョブタイトルを対象にしました。

  • Web developer
  • Front-end developer
  • JavaScript developer
  • UI engineer
  • Front-end engineer

経験年数

約 7 割の企業が実務経験を必須としていました。実務経験を問わない企業は、Web デザイナーの 19%に対し、Web デベロッパーは 31%と大幅に増えました。経験年数を問わないかわりに、CodePenGitHubStack Overflow等で実際にコードを見せて欲しいという企業も多く、デザイナーだけでなくデベロッパーもオンラインポートフォリオとなるサイトの必要性がうかがえます。

学歴

学歴を問わない企業が 71%と大多数をしめました。Web デザイナーの場合と同じく、関連する学部の大学卒業以上を求めている企業の 89%がアメリカで、専門学校卒以上を求める企業の 81%がカナダでした。学歴に対する考え方は国の事情や考え方が左右するのかもしれません。

必須スキル

こちらも Web デザイナーと同様、HTML・CSS・JavaScript が三大必須スキルに。JavaScript については求めるライブラリー・フレームワークの種類が多くなったので後述します。PHP は WordPress 等の CMS を用途にあわせてカスタマイズできることを前提とするところが目立ちました。Sass/LESS や Git 等は企業の制作環境にあわせて作業できるよう、必須としているところが多かったです。

その他には AWS、Python、SVG、Perl などがありました。中には Web 系セミナーでの登壇経験を求めている企業も。

歓迎スキルには Photoshop 等のグラフィックツールの利用、デザインスキル、ニュースレター制作、Vagrant、Google Maps API、Facebook API 等がありました。

JavaScript ライブラリー・フレームワーク

ライブラリー・フレームワークの種類がとにかく多く、企業によってまちまちだったのですが、jQuery だけは当然のごとく 1 位にあげられました。AngularJS も人気。中には「AngularJS Developer」というジョブタイトルで求人を出している企業も見られました。その他には多い順に D3、Mocha、Knockout、React、Jasmine、CoffeeScript、Ext、Underscore、Vanilla がありました。どれもひとつのライブラリーやフレームワークだけを必須とするのではなく、「JavaScript(jQuery, AngularJS, Node, Mocha)」といった感じで、複数提示する企業がほとんど。ひとつを極めるよりも、複数を軽くいじれる…という人材の方が求められているのかもしれません。

その他の応募資格

Web デザイナー・Web デベロッパーあわせて、こんな応募資格もありました。

  • その国で就労できるビザがある
  • Arial と Helvetica の違いが分かる
  • Mac が好き
  • 犬が好き
  • 旅が好き
  • 運動が好き
  • ビールが好き
  • ユーモアのセンスがある

就労できるビザ。はい、大事です。就労ビザが無ければ働く事は出来ないので当然なんですが、国によって様々な種類や取得方法があるので非常に慎重になるところ…。私達日本人が海外で働くとしたら、絶対に避けては通れない部分です。Arial と Helvetica の違い…は、確かにデザイナーだったら大事かもしれませんね。犬が好き…犬?ビール…?ユーモア……? つまり一緒に働くと趣味もあうし楽しい人募集ってことですね。

個別留学相談会

今回の調査が海外就労の目安として役立てれば幸いです!ちょこっと宣伝なのですが、私の所属するクリエイター留学サポート企業「Frog」は 3/7(土)、3/8(日)に東京にて個別の無料留学相談会を開催します!これから海外進出を考えている方や、すでに準備を始めている方で質問や不安がある方はお気軽に参加してくださいね!