海外Web業界での就活マニュアル
海外生活もまもなく6年目に突入するManaです。カナダ・オーストラリア・イギリスのWeb制作会社5社で面接を受けたのですが(3社で就労・1社落選・1社辞退)、海外のWeb制作会社での就活情報はなかなか見かけないので、自分の体験をもとに記事にしてみようと思います。以前「海外のWeb業界で働くには?」という記事を書きましたが、今回はさらに詳しく紹介します。
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就労ビザはどうする?
国によって呼び方は変わりますが、大まかに分けて以下のビザがあれば就労可能です。詳しくは「行きたい国の名前+ビザの種類」でGoogle先生に聞いてみてください。
- 市民権保持
- 永住権保持
- 就労ビザ
- ワーキングホリデービザ
- インターンシップビザ
- 配偶者ビザ
この中でも「就労ビザ」は基本的に企業のサポートが必要で、就職先を見つけてからビザの申請が可能です。これがちょっとややこしいので、ここでは雇用主のサポート不要で働けるビザを持っていることを前提としてすすめようと思います。
英語のレベルは?
TOEIC・TOEFL・IELTSなどの英語試験が有名ですが、履歴書にこれらのスコアを書いても現地の人はそれがどれくらいのレベルなのかわかりません。なので雇う側は英語が話せる事を前提に選考し、面接時の会話を通して英語力を判断します。
- スピーキング…日常会話レベルは必須。面接の時は自分の作った過去のサイトのプレゼンを求められる場合もあるので、Webならではの専門用語を交えたプレゼン能力も必要です。
- リスニング…最低でもTEDやAppleのプレゼンが字幕なしで理解できないと厳しいかも。
- リーディング…職場では仕様書や資料など、大量の英文を読むことになります。日頃から英文のブログやニュースを購読して、慣れておきましょう。
- ライティング…クライアントとのやり取りはメールが中心になってくるので、英文メールの書き方(定型文)や資料制作などは練習しておきましょう。
私の英語勉強法法は過去記事「4年半の英語学習でした事・しなかった事」で紹介したので参考にしてみてください。「Podcast(ポッドキャスト)を上手く使って英語のリスニング力を向上させる方法」も面白そう。
例外では、もし海外にある日本企業での就職であれば、むしろ日本語能力が必要になってきます。
仕事を探す
就職活動開始!応募は日本国内からも可能ですが、現地に行ってからの方が効率良く就活できると思います。初心者、業界未経験者を雇う企業はほぼ皆無。最初は学校の紹介などを通してインターンとして働き始めます。日本で2〜3年のWeb屋経験があるなら、まずは以下の方法で仕事を探してみましょう。
ジョブボードで探す
世界的に有名なWeb系ジョブボードで大手企業の求人が発見できます。
ビジネス系SNSLinkedInに自分のスキルや在職履歴を登録し、Linkedinのジョブボードで検索・応募することもできます。
各企業のWebサイトを探す
ひたすら「地域名+Web agacy」などで検索し、ヒットしたWeb制作会社のサイト内で求人していないかチェックする方法。かなり根気が必要かと思いますが、自社サイト内でしか募集していない企業もあるので、要チェック。求人情報はだいたいサイト内の「About」か「Contact」ページに掲載されています。Jobs, Hiring, Recruit, Vacancy等の単語があれば、それは求人を意味しています。
応募する
働きたい会社が見つかれば、CV(Curriculum Vitae)と呼ばれる履歴書(Resume)をメールで送ります。PDF形式推奨。日本と違い定型フォームはないので、「グローバル時代に備えて!IT業界の英語レジュメ(履歴書)とカバーレターの書き方!(テンプレート付き)」という記事などを参考に作成します。ビザに期限がある場合は、カバーレターやメール本文にその旨を記述しましょう。
日本では確か落選の場合でも通知があるかと思いますが、海外では一週間以上返事がない=落選です。いつまでも返事を待たず、次のチャンスを探しましょう!
面接
面接に来て欲しいとの通知を頂いたら、面接のための準備を始めましょう!イメトレ必須です!
海外は日本に比べて時間にルーズ…なんて思われがちですが、さすがに面接時の遅刻はマイナスです。時間厳守!会社に到着すると、「Hi, my name is Mana!」「Hey Mana, thanks for coming!」なんて簡単な挨拶をした後、モニターのある会議室に通されます。実際にWebサイトを表示しながら面接を行うことが多いため、基本的にどこの会社の面接でもモニターがありました。そしてついに下記のような流れで面接スタートです。
1. なんか飲む?
「コーヒーか紅茶か水いる?」と必ず聞かれます。せっかく言ってくれてるのに断るのもなぁ…ということで、いつも水をお願いしています。面接をしてくださる会社の社長や人事部の方が飲み物を用意する…なんて、日本の企業ではありえないかもしれませんねw
2. 会社の説明
まずは会社についての説明を受けます。
- いつ会社設立したか
- 従業員数と職種の内訳
- 主なクライアント
- 主な制作物
- これからどうしていくか
などなど。会社についてわからないことがあったら、ここで聞いてみましょう。
3. 質疑応答
以下によく聞かれた質問などを紹介します。
意外と思われるかもしれませんが、志望動機を聞かれたことは一度もありません(ちゃんと考えてたのに!)。入社後、面接を担当していた人に聞いてみると、「志望動機なんて、ぶっちゃけよっぽどの理由がない限り仕事内容と場所と給料がマッチしたらどこだっていいっしょw どうしてもここがいい!っていう理由があるなら聞かれなくても言ってくるし。」との事。納得。
- What kind of projects are you working on now?
今やってるプロジェクトについて説明 - Why did you leave your last job?
なんで前の職場やめたの? - Where do you see yourself in five years time?
5年後何したい?目標は? - How long will it take to make a website?
Webサイト作るのに何時間くらいかかる? - Could you describe the process of building a website?
Webサイト制作のプロセスは? - How do you estimate time for a website project?
どうやって時間の見積りだす? - Have you ever made templates for WordPress / Magento?
WordPress・Magentoのテンプレート作ったことある? - Have you ever made websites for mobile?
モバイル用Webサイト作ったことある? - Have you ever made apps?
アプリを作ったことある? - Can you code HTML5 / CSS3?
HTML5、CSS3のコーディングできる? - What are your salary expectations?
給料どれくらいほしい? - What do you do in your free time?
休みの日は何してるの? - Which web related blogs do you read and why?
よく読むWeb系ブログは何?その理由は? - What did you learn from your last job?
前の職場で学んだこと - Why we should hire you?
あなたを雇うとどんなメリットがある? - Do you have any questions you would like to ask?
何か質問ある?
面接時に言わないほうがよさそうなこと
「いくらでも残業します!」
残業するという事は、時間内に仕事が終わらせられない・時間の見積りができないなど、海外ではあまりいいイメージがもたれません。残業時間は自慢になりません。
「英語の勉強がしたくて」
英語が勉強したいなら学校に行ってくれ!と思われます。
合格通知を頂いたら
電話かメールで合格の旨が伝えられます。国によって、働く前に必要な書類等が変わってくるので、事前に確認して用意しておきましょう。
社会保険番号
各国で呼び名が変わりますが、どの国でも保険や税金のための番号が必要になるはずです。
- カナダはSocial Insurance Number
- オーストラリアはTax File Number
- イギリスはNational Insurance Number
銀行口座
給与振込のための銀行口座も必須。カナダは給料を小切手で支払う会社も多いので、小切手が使える口座を作ります。イギリスの場合は口座開設時に雇用主からのレファレンスレターが必要になるはずなので、働き始める前もしくは就労初日に聞いてみましょう。
お仕事開始!
手続きなどが無事終了したら、指定の日時から勤務開始です!服装はカジュアルな私服でOK。初日の午前中に勤務時間、休憩時間、給与関連、長期休暇の申し出方法など、会社のルール説明があります。その後自分のデスクやPC・Macを自分好みに設定したりなんだり。その日の午後から通常業務が開始されます。海外Web屋のお仕事環境は「海外Webサイト・海外Web屋の特徴」で簡単に紹介しているので読んでみてください。
私はカナダ・オーストラリア・イギリスでのWeb屋経験しかないのですが、日本や他の国での違いもぜひ聞いてみたいです!海外就職経験者さん集まれー!
ロサンゼルスの中小Web会社で働いて5年目になります。
ハリウッドから地理的に近いので映画やテレビ関係の広告やウェブサイト作ることが多いですが、面接でもどういう映画が好きか嫌いかみたいな質問されましたね。
学生だったので就労ビザ(H-1b)のサポートについても面接で話したりしました。
あとは、自分のポートフォリオに載ってる作品のどの部分を担当したか、などなど。
アメリカの社会保障番号はSocial Security Numberですね。知ってる人も多いと思いますが、これゲットするのはなかなか面倒です。
最近はLinkedInでの就活多いと思いますが、僕はcreativehotlist.comにResumeと自分のサイトURL載せておいたら今の会社のヘッドハンターから声がかかって、何度か電話面接したあとそのまま仮採用もらいました。
自分のポートフォリオが他の何よりも就職の手助けをしてくれたと思っています。
えげれすで就職して4年目。やる気アピールのために、サイト丸ごと制作した実サイトをプレゼンしたり、当時はFlashも好評だったので(笑)そういった成果物をまとめたディスクと紙の資料を持参して面接に行きました。私の場合、ボスと直属の上司が面談したんですが、面接の最後に「いつから来れる?」と聞かれて、2日後から働き出しました。あまりにも即決だったので、最初は聞き間違えたかと思った…
私もイギリスでは面接の数時間後に「いつから来れる?」メール頂き、次の週から働くことになりましたw こちらは即決派が多いんですかね…
アメリカのわかりやすい就活マニュアル、ありがとうございます!やはり場所によっていろいろ変わってきますね!